母乳
出産前は母乳に拘るつもりはまったくなかった。
むしろ二足歩行になっても授乳している姿がちょっとかなり無理と思っていた。これは今もそう思う。
しかし出産していざ母乳がでない。これはなぜかかなりメンタルにきた。
母乳ガン見たくさん出た自慢の義母の影響も否定はできない。ちなみに完ミにしてから義母には「ごめんねぇ、もっとご飯とか手伝ってあげてたら母乳がでたかもしれないのに」と言われて内心キレた。
ごめんねぇの時点で「あ、母乳ガン見たくさん出た自慢のことを謝るんかな?」って思ったわたしのまんまんちゃん加減ときたら。
ちなみに義父には「ちゃんとおっぱいで育てな云々」言われたけど無視した。
義父母のことは脇に置くとしても、母乳が思うように出ないことは産後のわたしにはストレスだった。
出ないとなると逆に拘るようになり、ありとあらゆるワードで検索を重ねた。
どのページにも「母乳が出なくてもミルクでもお母さんの愛情に変わりはありませんよ」的な暖かいメッセージが書いてある。世間は優しい。「お母さんが無理せずニコニコしているのがいちばん」とかもたくさん書いてある。
それは分かっているのだ。
もはや娘のために、とかいう気持ちよりも執念のようなものに突き動かされている。わたしは自分に出来ないことがあることが、自分が劣っているように感じられることが嫌だった。本質的に親として間違っている。
よく母乳がでない母親が言う罪悪感のようなものではなく、ただ悔しさでいっぱいの自分の心が娘に申し訳なかった。
母乳の専門家のなんだっけ?英語で5文字くらいの…そこの人の記事やブログやTwitterや色々見たんだけど、産後1ヶ月の体で赤子を連れて行けるところにその人がいるかと言われたらいないし、コツがあるんです!相談してください!って書いてるけどそのコツをそこに書いておいてくれ。
あと母乳を諦めずにすみます的なことが書いてあるけど全員完母になれるって意味ではないんだよね?個人的には混合が無理すぎて完母か完ミにしたかったから細々と混合でいけますじゃ意味なくて、でも誰でもジャバジャバでるようになるわけじゃなさそう?その専門家の人たちのビジョンが色々見てもあんまり読み取れなくて結局頼れなかったよ。
桶谷は担当ガチャやばそうだしやはり近くにないしということでこちらも頼れず。
あまりに気が短い性格なので、ここまでを3日くらいでグルグルと思い悩んで生後一ヶ月を迎えたことを機に完ミにすることにした。
徐々に回数を減らして、とか思っていたが3日で完ミになった。
するとなんと楽なことか!やはり数字で管理できることは数字で管理するに限る。完ミ最高!
あ、完ミにして良かったことのひとつは自分のご飯を頑張って栄養バランス良くとか考えなくていいこと。個人の価値観によるだろうけどわたしは自分のご飯より娘を抱っこしてたいし(抱っこでしか昼寝しない)泣かしておいてご飯をつくるのも気持ち的に無理だったし、親と同居か夫ががっつり育休かじゃないと栄養バランスにこだわるの無理じゃない?
もうすぐ3ヶ月だけどわたしずっとお腹すいてるし、それでもまぁいいやって思える方だからグルメな人だとまた違うと思う。とりあえず最低限の栄養とカロリーは摂れてる…はずだけど。
出産して2ヶ月たった
出産して2ヶ月たった。
産後1ヶ月は母乳と義理の実家のことで悩みつつも夫が休みをたくさん取ってくれていたのでなんとかなった。
普通の勤務に戻ると思っていたが、蓋を開けてみればこれから1ヶ月半程は激務になるという。
しょうがない。わたしは産休の身。しかも元々パートなので手当もたかが知れている。夫には仕事を頑張ってもらうしかない。
なんだかんだで産後1ヶ月半までは当直を抜けて風呂にいれに帰ってきてくれていた。これがかなり助かった。風呂は重労働。
沐浴も卒業し一緒にお風呂に入れるようになったのでなんとかなった。とにかく風呂前に少し寝させて、私の風呂の間ぼーっとさせる作戦でなんとかなることが多かった。泣かれることもあった。
意外とワンオペでいけるじゃん。子によるだろうけど世話自体はワンオペ余裕。ただしほぼずっと抱っこ。降ろすと起きて泣く。
全然無理なのはわたしのトイレと食事。後回しにしすぎて夕方はじめてトイレにいくのもザラ。飲み物もたいして飲んでないからなんとかなったけど。
泣かせておいてトイレに行くこともあった。罪悪感がすごい。
食事は一食でじゅうぶんと割り切って夫が帰る日は夕飯を、帰らない日は昼飯を食べることにした。
あとはコーヒーとチョコなど片手でいけるものが主。
娘が泣いておらず抱っこでもない時間は一日のうち少しはある。
しかしそこでこなすべきことが多く、自分のことはとにかく後回しになる。予防接種の手配、保険の申請、内祝い、洗濯、掃除、夫が帰る日は夕飯の準備…トイレにいくより食事を摂るよりこれらをやった方が精神的な安寧が得られるのでしょうがない。性分だ。
この時期に最も感じたのは、夫と育児時間の差が開くに連れて夫にイライラするようになるということ。
平日昼間にペースが出来ていることを崩されると腹が立つ。全て指示を出すのも現実的でないし夫も嫌だろうし。
夜帰ってきてから寝かしつけに失敗されると腹が立つ。明日眠い目を擦りながら世話するのはわたしなんだけど!でも夜のミルクを変わってもらうのはこわい。一緒に寝ていたときも夫はほぼ起きなかったし。寝不足で仕事にいって事故を起こすなんてことは絶対に嫌だし。
しょうがないのは分かっている。仕事が忙しい中よくやってくれている。わかる。わかる。ありがたいのは間違いない。でもわたしも辛い、きつい。生理が再開したのもあって心身ともに辛い時期だった。
ほぼ記憶がない。
出産して1ヶ月たった
5日間入院した。
選べたけど入院中にお世話に慣れてないと絶対退院後パニクると思い母子同室を選ぶ。自分のことがよく分かっている選択。
母乳出ないな。うんちもでないな。わたしの。次があるなら必ず初日から便秘薬をもらうこと。尻が痛い。縫ったとこは意外と平気。
とにかく退院まで母乳が駄目で2週間後に検診することに。
退院。義実家へ。これがまじで選択ミス。
みんな喜んでくれて可愛がってくれて良かった。
いやいやなんでリビングと繋がってる和室で授乳?扉開けられてるが?義母が超見に来て、というかずっとそこにいて自分がいかにたくさん乳が出たか喋ってくる。うざい。初回に怒鳴るくらいした方が良かった。そうしなかったので毎回これ。つらい。
義父がいても義兄がいてもお構いなしで悪露は出たかうんちは出たか聞いてくる。つらい。
毎回ミルクは奪われてわたし以外が飲ませる。わたしはミルク作って哺乳瓶洗う係。わたしが母親なのにお女中さんみたいだなと思って悲しくなってくる。
沐浴は楽しみにしていたらしい義父が。危なっかしい手付きで後悔する。いまはこうこうこうらしいですよ〜ってやんわり言ってみるも効果なし。
一週間たって自宅へ。心からホッとする。
義母が毎日来て家事やらしてくれるらしい。ありがたい。しかしこれもわたしの選択ミス。
まずやってきて冷凍庫の整理。洗濯物干すやつとかを整理。わたしはここが使いやすくて…ってやんわり言っても無視。自分の良いと思うやりかたを押し付けちゃうタイプと申告される。いま書いてても涙が出てくる。
もうにどと来てほしくない。夫が帰ってきてから泣きつく。
善意でやってくれてるのは分かるけど、自宅の色々を変えられるのはほんとに浸食されてる感が強すぎて無理だった。
とにかくキツくても自分で全てやったほうがストレスが少ないと判断して夫から手伝いを断ってもらう。夫ありがとう。嫌な役目をしてくれてありがとう。
2週間検診で病院へ。
とにかく善意からチャイルドシートなしの車で送るという義母をこれは強く断ってタクシーで。それだけは絶対に無理。今後もこれは全て断る。
体重増えすぎだからミルク足さないでいいと言われる。母乳出てるんだと安心するがこれが間違いだった。
1週間後再び病院へ。
体重増えてない。泣く。なんでミルク足してないのってお前のとこの助産師が足さなくていいって言ったんだよ。
母乳にこだわりなかったはずなのにいざ出ないと悔しい。しかし当然ながらわたしの気持ちより娘の健康が大事である。
だれも信じられないのでベビースケールをレンタルすることを決意。これは正解。
1ヶ月検診で病院へ。
タクシーも慣れたものよ。ミルク足すように戻したので体重は順調。良かった。その他問題もなし。母体も問題なし。
1ヶ月検診も終わったので罪悪感はあるが完ミにすることを決意。これも正解。
とにかく数字でわかる方が安心できる質みたい。そして何事も自分でやるほうがストレスが少ない。体がきつかったとしても心がきつくないほうがマシ。これはかなり個人差あると思う。わたしはそうだった。このことは二人目を考えたときに必ず思い出すこと!
絶対に実母にも義母にも頼ろうと思わないこと。
逆に夫にはしっかり甘えてパンクしないようにすること。
出産した
出産した。
かれこれ2年以上かかっての待望の妊娠。一度は初期流産もした。
とにかく初期は出血との戦いで、仕事を早退したりもした。幸いつわりは軽い方だった。
陣痛ってどんな痛みなの?というのが正期産になっていちばんの悩みだった。
実際に陣痛がきて分かったけどまさに生理痛だった。痛いのはずっと恥骨の上あたりで、よく聞く腰や尻に移動することはなかった。
丸一日は余裕で耐えられるくらいの痛み。生んだ日の朝からはかなりの激痛。お腹に力も入れられないしどうやって耐えるのよ。
テニスボールを使うタイミングは結局分からないまだった。あと歩いたりしてたって人もレポで見てたけどモニターついてるのにどうやって?横たわるしかなかったが?
痛みが強くなってもモニターの数字は上がってこない。朝の内診では3センチだったかな?まだまだね。大げさね。という反応。昼過ぎにまた見てみよっか。
絶対おかしいって!と思いつつ耐える。10時過ぎには急に子宮口9センチ。急いで旦那さん呼んで!うける。実際うける余裕はない。
夫が来る。案の定甘えがでてもう痛みには耐えられない。ちなみに10時からここまでに3回吐いた。夫の前では吐けない。
陣痛室から出て分娩室へ移動。みんな分娩室に行ってからは楽だった!何回かいきんだら出た!って書いてたから余裕でしょと思ってた。思ってた…
実際にはここから3時間以上かかった。いきむの下手すぎた。あと子どもの頭がデカすぎた。
分娩台から降ろされて和式トイレの体勢になっていきまされるも出ない。分娩台に戻る。レバーがガタガタして持ちにくい。
マスクの上から酸素マスク。汗かいてたから額に濡れタオル。夫登場。出ない。切ってくれと懇願。お腹じゃなくて股です…声にはならない。
院長登場!はよ股を切って!切った!生まれるぞ!タオルが落ちてきて前は見えない!声を出して怒られる!隣に登場した女医さんでかいな!吸引だ!保険おりるかな?スッポンみたいなの想像してたけど機械でドゥルルルルってされてるな!出た!やった!胎盤見たいです!うわキモ!
あ〜泣いてる。良かった。夫は意外と泣いてないな。いま縫ってるのほぼ肛門じゃない?赤ちゃん可愛いね。肛門塗ってない?赤ちゃん可愛いね…
無事に生まれて良かった。二人目は無痛!と思ったけど多分ケチって無痛にはしないだろうな。